聖域
夜の寒気は時折刺すように痛い。
沼地から抜け出した私は、
うっかり都会のど真ん中に迷い込んでしまったようだ。
だが、しかし、
私が無意識に選んだ場所は、私の潜在意識、
いわばDNAに組み込まれた場所なのであろう。
いわばDNAに組み込まれた場所なのであろう。
シアターサンモール!
サンクチュアリィ!
気づけば、この地下の劇場でいくつもの物語を紡いできた。
夏の暑い日蒸し蒸しする日、木の葉舞い散る秋の日、
氷雨降る日も雪の日も私たちはやってきた。
夏の暑い日蒸し蒸しする日、木の葉舞い散る秋の日、
氷雨降る日も雪の日も私たちはやってきた。
失いたくない聖域であり聖地の一つ。
地下という閉塞感。階段下から見上げる空の色。
全てが私たちを形成する要素なのだと思うと、
些細なことさえも愛おしくなる。
全てが私たちを形成する要素なのだと思うと、
些細なことさえも愛おしくなる。
携帯の電波が届かないのも神の思し召しに思えてくる。
明日、
この石畳みを通って、
あの階段を降りて、
あの席に座わり、
出会う、
運命のあの人。
あなたに会うために、ドラマを紡ぎ続ける。
来たれ!
運命の日よ!
冬蛙
冬蛙
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