2014年11月30日日曜日

私の頭の中のウサお



吾輩は、ウサお である。

ここは何処なのだろうか。
なんだかどんよりと霧がかった景色で、
時々、パチッと閃光が見えるのである。
吾輩は、目を凝らしながら前へとすすむ。

霧の先に何か黒くモヤモヤとした塊が見える。
側まで近づくとモヤモヤの正体が分かった。
文字だ。

「エステラ」「屋敷」「 ハヴィシャム」「心」「ピップ」「衣装」「福岡」
他にも沢山の文字が蠢いている。

これはなんだと言うのだ。
吾輩は、ただひたすら「文字」を見つめていた。

突然、
「久保くん!そうじゃないの!」
女の人の声が聞こえ、次の瞬間、
大きな閃光が走った。

吾輩は驚きで、顔を覆っていた掌を顔から離した。

すると、そこには蠢いていた文字がレールの様に真っ直ぐ並んでいる。
道を示すかのように。

先は少しずつ明るくなっている様だ。

吾輩は、また前へと歩き出した。

胸の高鳴りを感じながら。







久保優二