2014年12月27日土曜日

僕はずっと光も差さない暗い場所にいた。
匣とか甕とか壷とか言われるようなものらしい。
それが何かは大した問題じゃない。
別になんでも良いんだ。

まわりには、たくさんの仲間たちがいた。
妬みとか、盗みとか、まぁそんな色々な仲間たちが。

ある日、誰かが、開けた。
光が差した。
誰かは、男かもしれないし、女かもしれない。
仲間たちは出ていった。
僕だけがここに残った。

そして、世界はこうなった。


本当にそうかな?

ある人は、仲間が外に蔓延り、僕だけが残ったせいと言う。
ある人は、その誰かが、慌てて閉じてしまったからだと言う。
ある人は、僕がぐずぐずして、思い切りの悪い性質だからだと言う。

さらに、人によっては、僕の存在自体が、苦しみを長引かせる、禍のなかでも最悪なものだって言う。


言いたいように言えば良い。
見たいように見れば良い。
どれも正解で、間違ってはいない。



でも、そろそろ気づいても良いんじゃない?

いつもいるよ。
ずっと一緒だよ。

ずっとここにいたんだよ。

僕と上手くやっていけるかは、君次第さ。
誰だって、そうだろ?



ほら、今日も誰かが、光を入れるよ。
その顔は、どんな風に見える?







松本慎也